手術結果を左右する”手術のタイミング”

あなたの椎間板ヘルニアや狭窄症などの症状が手術でどのくらい改善するか、これを術前に正確に予測することは困難です。それには幾つかの理由があります。その中で私が最も重視するのは、“手術のタイミング”です。

手術で良い結果が期待できるのは、手術の時点で神経障害が軽いか無い患者です。

言い換えれば、手術時に既に神経障害の進んだ患者では、どんなに優れた手術を受けても症状の改善は不十分・不良になります。

なぜなら、手術は神経を傷害する椎間板ヘルニアという原因を取り除いても、傷害された神経を治すわけではないからです。術後に症状が改善するのは、神経がもつ回復力によります。医学が進んだ現代においても、傷害された神経を直接に治す治療法はありません。

これが手術治療を検討する際の重要なポイントです。つまり手術治療のタイミングが術後症状改善の良し悪しを決めると言って過言でありません。

同じ病名、同じ手術法でも、その結果は患者個々で異なります。そこで皆さんに強調したいことは、保存治療の効果が三ヵ月以上過ぎても得られない場合には、手術治療が必要な段階ではないか、治療法の見直しを医師に求めることです。それがうまくいかない場合にはセカンド・オピニオンを検討することをお勧めします。

手術結果を左右する”手術のタイミング””へ6件のコメント

  1. K.S. より:

     ご意見有難うございました。本人に確認しましたら、姿勢や動作によって痛みが変わることはなく絶えず痛みがあるという事なので腰からの痛みではないように思います。先月受診した肛門科の治療はまで日が浅いので暫く続けてみるとの事です。ただ、直立状態が続くと腰が砕けるような痛さがあり直ぐに行動出来ないと言うのは別問題のようで気になります。
     結果的に腰椎に関係ないご相談させて頂き恐縮しています。有難うございました。

    1. K.S.さんへ
       どうも中心的な問題は腰椎ではなさそうですね。現在の治療を継続して判断するのが良いと思います。
      それではお大事に。

      from SHUJI SATO

  2. K.S. より:

    お忙しい中お返事頂き有難うございました。
    今回、41歳の娘の事でご相談させて頂きたいのですが症状は以下の通りです。
    3年前の2017年4月頃、足の付け根の後ろ(太股と臀部の境目)辺りから太股の中ほどまでチクチクとした痛みと何か違和感(重だるい感)があり、合わせて肛門の奥(4、5cm辺り)の左側がズキズキした痛みが2、3週間続いた為、大腸肛門科に受診し、大腸内視鏡検査も受けましたが異常なく、陰部神経痛と言われ、原因不明で治療法もないと言われました。その初診の時に生理時に痛み止め(ロキソニン)を飲んだら、肛門の痛みに効いたと話したら「うー、痛みに効くんだったら違う病気の可能性もあるかな?取りあえず痛み止めで様子を見ましょう」とロキソニン1錠60mgを処方されて終わりました。当時は痛い時と暫く痛みがない時があったので様子を見ることにしました。
    しかし、症状は好転せず多くは生理中頃から生理後十日間程が特に痛みが強くなった為、2019年4月に婦人科に受診し内診と子宮頸がん、性病の検査をしましたが異常はありませんでした。生理後2、3日は1日3回7時間置きにロキソニンを飲み、その後10日程は1日2回、1回と薬の回数が減り約2週間後には薬なしで2週間過ごすというサイクルになっていました。(最近は月にロキソニン60mg40錠が必要です)
    痛みが徐々に強くなってきており、今年1月頃に胡坐をかいた時に左の股関節の可動域が狭く、胡坐をかいた状態で左膝は床からかなり離れており股関節の外側で痛みが出て開きません。右膝は床に着くくらいに開きます。ネットの検索で仙腸関節障害を見かけ整形外科に受診しました。MRI検査するも元々の痛みの原因ではなさそうだが股関節の可動域が狭いのでリハビリをする事になり、2、3週に1度20分程度のリハビリに通い、他の日は習ったリハビリを自分で行う毎日です。左臀部が少し硬いと言われています。
    症状は変わらず今年5月、再び別の肛門科に受診し、大腸肛門痛と言われ便通を整える治療と肛門の痔の薬で様子を見る事になりビオフェルミン1錠とマグミット250mg1錠を朝夕、肛門に注入するボラザGを朝夕処方されました。
    4、5年前に雪で滑って大きく後ろに転び臀部を打っています。(病院での治療はしていません)この性なのかわかりませんが尾てい骨が右側に曲がっていると接骨院で言われています。この事が関係しているのでしょうか。
    最近は痛みが強い時はジンジン、ズキズキと疼く様な痛さで薬を飲まなくても過ごせる時でも鈍痛があります。痺れはありません。10分ほどその場で直立していると腰が砕けるような痛さもあり、直ぐには動けず少し解してから行動する状態です。
    2018年4月20日の先生のブログに「姿勢や動作の影響を受ける腰痛や臀部痛、下肢の痛みは、まず腰痛疾患を疑うべし」と書いてありましたので、もしかして腰からの痛み?と思い相談させて頂きました。もしそうであれば先生の診療再開を待って受診したいと考えていますが痛みが強くなって来ています。
    腰痛疾患の可能性はあるでしょうか。お忙しいと思いますがご意見頂ければと思っています。宜しくお願いします。

    1. K.S.さんへ
       左臀部から大腿中位いまでの痛みで、膝から足にかけての痛みもしびれもないのですね。この痛みでしたら腰椎の問題で起こりえますが、肛門あたりの痛みが腰から来ているか、これはちょっと疑問ですね。実際に姿勢の影響が痛みにどのように関係するのか、例えば立位や、歩行時や、座位や、前傾姿勢、横になっている時などに痛みがどのように変わるか、腰椎性というためには、姿勢・歩行・そのほかの動きなどで痛みなどの症状がどのような変化を示すか、これらの情報が必要になります。今回、提供して頂いた情報からは、腰椎性とは確信もっていうことはできません。娘さんに確認してみてくだささい。
      それではお大事に。

      from SHUJI SATO

  3. K.S. より:

    昨年11月に、先生に脊柱管狭窄症の手術をして頂きました。痺れが我慢の限界にきて他医院を受信し、リリカを1カ月半飲んで効果がなかったのでCT画像の判断で紹介状を書いて頂きました。
    診断当初から病気について色々検索し、先生の出版された本、又ブログを出来る限り読ませて頂きました。そして、先生に診察をして頂こうと決めて予約を入れました。予約を入れてから初診まで50日程ありましたので、脊柱管狭窄症やその手術についても自分なりに知識を深め受診したので迷いなく手術を決断しました。と言うよりも手術をしようと思って受診しました。
    自分の病気の事は自分でも良く知り、また理解し、先生の手術に対する技術力も100%信頼していたので手術に対して何の不安も心配もありませんでした。
    その状態で手術を決断する人は珍しいと言われましたが、早くに決断した事で退職前に先生の手術が受けられた事、100%回復した事、タイミング 本当に大切ですね。
    手術後すぐにほとんど痺れは取れ、半年が経過した現在全く何の問題もありませんが、L4/5にヘルニアが少しある事、L5/S1に狭窄があるとの事で不安がありますが症状が出ないように無理は禁物と自分に言い聞かせています。
    現役復帰されましたら、時期が来た時に定期検査を受けようと思っています。その時はまた宜しくお願いします。後になりましたが本当に有難うございました。
    先生もお身体に十分気を付けて下さい。

    1. K.S.さんへ
       名前はイニシャルにさせていただきました。術後の経過が順調で良かったです。私も安心しました。
      おっしゃる通り、脊椎手術はタイミングが大変重要です。私ら脊椎外科医の役割は、患者さんの回復力を引き出すことにあるからです。
      まだヘルニアや狭窄所見があるとのことですが、必ず悪くなるわけでもないので、しばらくはむりのし過ぎにならぬよう気をつけてください。
      診療再開しましたら、案内させて頂きます。
      それではお大事に。
      FROM SHUJI SATO

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